今回はストリートメディカルラボ第5期修了生、リスク検査などを行う医療系のベンチャー企業で働く池田英生さんにお話を伺いました。
無関心な人に関心を持ってもらうには
ー ストリートメディカルラボを受講することに決めた理由を教えてください。
予防医学に関心があり、武部先生の本を買って読んだことがきっかけです。
私の働く企業では、病院や健康診断で使うリスク検査を提供しているのですが、このような検査を受ける人たちはもともと予防意識が高く、検査を本当に必要としている人たちではないのではないかという課題感がありました。よりリスク検査が大きな影響を持つであろう無関心層にどうサービスを届けるかを考える中で、武部先生の考え方に共感しました。
武部先生のことを知る中でストリートメディカルに出会い、「デザインの力で人に行動変容を促す」というテーマがまさにやりたいことだったので、参加することに決めました。
プロトタイプの考え方
ー ストリートメディカルラボ第5期の授業を受けてみて、どうでしたか?
全体的にレベルの高い授業で、3、4回でもとが取れたと思いました(笑)
特に印象的だったのは、下東先生とSean先生の授業です。
下東先生の授業では、コピーライティング、言葉の選び方・使い方を学びました。ワーディングの意識を身につけることで、言葉選びの良し悪しを体系的に人に伝えられるようになり、仕事でも活かすことができました。これまでは感覚でなんとなく良い悪いを判断していましたが、誰に言葉を届けたいのか?という視点で考えられるようになりました。
Sean先生のデザインワークショップでは、プロトタイプを作る練習を行いました。Sean先生はフィードバックがとても上手で、先生の明るい人柄をすぐに好きになりました。
ワークショップの中で、Sean先生が「実際の現場では、時間はみんなない。」とおっしゃっていたことが印象に残っています。
時間をかけて完璧なものを作ろうとせず、不完全だとしても何かしらの形にし、世の中に出してフィードバックを得るというプロトタイプの考え方を学ぶことができました。特に医療関係者や、アカデミックな環境にいる人ほどこの考え方が難しいのではないかと思います。
テーマを絞るのに苦労したが、ポジティブに進めることができた
ー ストリートメディカルトークス(修了発表)を終えて、印象的だったことを教えてください。
修了制作では、チームメンバーそれぞれが関心を持っていることが異なり、テーマを絞るのに苦労しました。メンバーそれぞれ忙しい中で日程調整してプロジェクトを進めるのが難しかったのですが、ポジティブな雰囲気で進めることができました。やっと方向性が見えてきた時には、喜びを感じました。修了制作の過程で、他のチームとの横のつながりもできたのもよかったです。
また、修了発表の当日、他のチームの修了制作の完成度が高く、驚きました。同じ授業を受けた人たちにも関わらず、それぞれ異なるテーマに着地していることが興味深かったです。半年間一緒に学んだメンバーなので、この人たちが集まったらこういうアイデアができそうだな、などとそれぞれのチームの色を見ることができました。