2024年11月29日(金)
第5期ストリートメディカルラボ 第18回
テーマ:ストラデジックデザインワークショップ
講師:Sean McKelvey先生
アメリカナロパ大学卒業後、来日。世界初の量産型エモーショナルコンパニオンロボット「Pepper」の企画開発の担当を経て、BCG Digital Venturesにて、大企業のゼロイチのデザインドリブン革新への挑戦を支援。アート、建築などの分野において、スタートアップの起業に携わる。パーソンズ・スクール・オブ・デザインでStrategic Design and Managementの修士号を取得。
以下の本文
第18回は、ストラテジックデザイナーのショーン・マッケルベイ先生におお越しいただきました。前半はプロトタイプの重要性と、人の心を揺さぶるストーリーテリングのテクニックについてお話しいただきました。後半は実際にチームに分かれてプロトタイプを作り、それをシェアするワークを行いました。
プロトタイプの重要性
ショーン先生は、アイデアを人に伝えることがありますが、プロトタイプを作ることが大切だとお話がありました。その中で最も大切なのは、「仲間を増やすこと」だそうです。自分のアイデアを現場に伝え、共感を得ることで、支援者や仲間を増やすことができます。プロトタイプの一つの方法だそうです。
また、プロトタイプの本当の価値は、それ自体ではなく、「プロトタイプが発生する会話やインタラクション」があるそうです。をするか、どんな素晴らしい使うのかなどを観察することで、効果的なトライをすることができ、より良いプロダクトを作ることができます。
ショーン先生のお話の中で「デザインは永遠に続くプロトタイプ」という言葉がとても印象的でした。デザインやプロダクトは人に使ってもらって初めて機能するものです。また、製作者が意図しない使い方がされることもあります。ショーン先生は慎重にユーザーに目を向けてデザインをされていると感じました。
ストーリーテリングの力
プロトタイプをうまく人に伝えるためには、ストーリーテリングが非常に重要になります。ストーリーを伝える時に重要となる要素は4つあり、①相手の心を「貫く」こと、②プロトタイプの内容に対する考え方「 「存在する」こと、③さらに相手の心を「揺さぶる」こと、④そして相手を「動かす」ことです。 ハイネケンの広告やグッドデザイン賞を受賞したおてらおやつクラブなど、この4つの要素を効果的にストーリーに落とし込んだ事例とともに解説いただきました。
プロトタイピングワークショップ
後半は、卒業制作を行っているチームごとにプロトタイピングワークショップを行いました。チームは現在進行中で卒業制作のアイデアをもとにコンセプトプロトタイプを作成し、完成したプロトタイプを発表しました。プロセスだけでなく、どのように伝えるかという点も含めてプレゼンテーションの工夫が求められました。 チームによって卒業制作の進捗は様々で突然、短時間でプロトタイプを完了させるというプレッシャーのもと、アイデアを形になってました。
自分たちのアイデアを出力することにより、モヤモヤしていたアイデアが一つの輪郭を持って共有された感覚がありました。プロトタイプに対する感想は人それぞれ違う、完璧というものは存在しないんだと言うまた、相手に上手に伝えることの大切さも学びました。ストーリーの持てる力によって、相手にアイデアを届けることを学びました。
卒業制作の発表会「ストリートメディカルトークス」まで残りわずかとなりました。各チームがラストスパートを迎える中で、今回のプロトタイピングワークショップはアイデアを形にする上でとても学びの多い回となりました。チームのトークスでの発表がとても楽しみです。
テキスト by 佐久間美季