今回はストリートメディカルラボ第5期修了生、医師の古賀大介さんにお話を伺いました!
ただ治療をするだけでは患者さんのためはならない
ー ストリートメディカルラボを受講することに決めた理由を教えてください。
「ハピネスドリブンで健康を考える」というラボのコンセプトに共感したからです。
現在は研究員として大学で働いていますが、以前は小児科医として働いていました。その頃から何が1番患者さんにとってハッピーなのか?ということを考えながら働いていました。医師として、患者さんの気持ちに関わらず、医学的にいいという治療をお薦めしなければいけないという側面もありますが、ただ治療をするだけでは患者さんのためはならないと考えていました。
さらに小児科は、患者さんの親御さんとも関わることが多いのですが、親御さんの環境が過酷であることが当然というような雰囲気に違和感を持っていました。
加えて、病院でもポスター制作やWebページの制作を担当していたことがあり、デザインにも関心がありました。ビジュアルのデザインだけでなく、病院現場の仕組みのデザインも関心があったので、ストリートメディカルラボがぴったりだと思い、受講を決めました。
ー ストリートメディカルを知ったきっかけはなんですか?
2019年に研究者向けのセミナーで武部先生の講演を聞き、ストリートメディカルを知りました。もともと期待していたセミナーの内容は再生医療の内容だったのですが、実際はほぼストリートメディカルのお話でした(笑)。
重要性が理解されにくい領域に踏み込んでいる武部先生の講義に感銘を受けました。まさに自分のやりたいことだと感じ、さらに自分がやりたかったことを肯定してもらえたような気持ちになりました。
医者は極端に狭い世界に生きている
ー ストリートメディカルラボ第5期の授業を受けてみて、どうでしたか?
授業を通して、医者は極端に狭い世界に生きていると実感しました。受講してすごく世界が広がりました。世の中にはバックグラウンドや興味が違う人間がたくさんいて、どんな人が集まるかで出来上がるものが全然違うことがとても面白かったです。
もっと早く始めたかったと感じましたが、今このタイミングで受講をすることができてよかったと思います。これからデザイン思考ができる医者として活動していきたいと思います。
一人では絶対に出せないアイデアが生み出せた
ー ストリートメディカルトークス(修了発表)を終えて、印象的だったことを教えてください。
修了制作をつくる過程がとても面白かったです。
私のチームには、穏やかで周りの雰囲気を読む人たちが集まっていました。そのためアイデアはまとまりやすいのですが、なかなかとがったアイデアが出せないことを課題として感じていました。
チームとして方向性を定め、いろんなアイデアを出したのですが、私が描いた落書きをきっかけに、最初からは想像もできないような面白いアイデアに辿り着きました。一人では絶対に辿り着けないアイデアが生み出せたことがとても面白く、初めて経験したことでした。
医学部では身につけられない能力を、身につけられる場
ー 最後に、ストリートメディカルに関心がある人に一言お願いします!
修了発表のグループワークで何が起きるか予測できなかったように、いろいろ考えても何が起こるかはわからないと思います。
「人をハッピーにする」「医療とデザイン」のような言葉に惹かれる人はとりあえず飛び込んでみることをおすすめします!
勉強することに遅いということはないですが、若ければ若いほどその後の人生に学びが多いと思います。医学生なども若いうちにぜひ参加してほしいと思います。医学部では身につけられない能力を身につけられる場です。