2025年5月24日、第6期4回目の授業では、ストリートメディカルラボ理事長の沼田先生がワークショップを行いました。「共感」をテーマにした複数のワークを通し、デザイン思考やストリートメディカル視点に基づく思考方法を学びました。
「偏愛マップ」を通して自己と他者を理解する
まず、受講生が事前に作成した「偏愛マップ」をグループで共有しました。「偏愛マップ」とは、自分が好きなもの(偏愛するもの)を自由に書き出し、まとめたものです。自分の偏愛を言語化することで自分を理解し、さらにグループで共有することで相手の好きなものに対する気持ちに共感するためのワークです。
さらに、「嫌いなものを好きなモノやコトにする」ワークも行いました。まず、偏愛マップとは対照に自分の嫌いなものを書き出します。そして、それを自分の偏愛するものと強引に組み合わせて、好きになれるためのアイデアを作成しました。嫌いなモノをポジティブに変換するこのワークでは、思考の柔軟性と想像力のトレーニングとなります。
学生からは、以下のようなさまざまなアイデアがあがりました。
・満員電車が苦手→「ライブ会場だと捉え、音楽を楽しむ」
・病院の待ち時間が嫌い→「カフェのように快適に時間を過ごせる待合空間を作る」
・ゴミ出しが億劫→「お花柄のゴミ袋で気分が上がる仕掛けを作る」
既存の掛け合わせで今までにない職業・仕事を発想する
続いて、既存の要素を掛け合わせて新たな職業や役割を発想するワークを行いました。「既存のものを掛け合わせる」ことで、「5年後にはすでにあるであろう仕事」を発想します。
学生からは、感情も分析しながら寄り添う学習支援を行う「AI家庭教師」や、口笛を治療にも応用する「臨床口笛師」などユニークなアイデアがあがりました。
自己理解「4つの窓」
授業の後半には、自分の好きなものと得意なものを理解するための個人ワークを行いました。「好き / 嫌い」「得意 / 不得意」のマトリクスを使用し、それぞれに当てはまるものを考えました。
その後、自己理解のワークの内容をグループで共有し、「グループの中から1人を選び、その人に向いていそうな職業を無責任に提案する」ワークも行いました。このワークでは特に、「嫌いだけど得意なもの」、「好きだけと不得意なもの」に注目し、人から評価を得ることで段々と好きになっていく可能性を考えたり、得意な人と共同することで活躍できる職業を見出します。
現在の仕事に似た職業の提案や、全く新しい視点での提案などそれぞれのチームごとにユニークなアイデアが挙げられました。
「人をみる」ワークショップ
最後に、「チームメンバーの個性を表現するオリジナルポスターの制作」を行いました。チームの中で1人クライアント役を選び、その人の特徴や個性を、絵やイラストなどのビジュアルとキャッチフレーズで表現し、発表しました。
離島専門のツアーコンダクターの宣伝ポスターや、選挙ポスター風のキャッチフレーズやデザイン、好きな曲のタイトルをつかったキャッチフレーズや、ファッション広告のような構成のポスターなど様々な案があがりました。
共感から始まる「人をみる」練習
今回のワークショップを通して、自分を知り、他者に共感することの練習を行いました。これらのプロセスは、デザイン思考やストリートメディカルの考え方の起点となるものです。単に相手のことを「知る」だけでなく、対話やワークショップなどのプロセスを経て「わかる」ようになる練習ができたのではないかと思います。
受講生からは、「自分とは全く異なる背景や価値観を持つ人との対話が新鮮で、たった120分のワークショップでも自分の世界が大きく広がるのを感じた」という感想がありました。今後の授業を通してさらに深く「共感する力」を育み、「人をみる」視点が磨かれていくことを期待したいです。