2024年8月2日(金)
第5期ストリートメディカルラボ 第4回 講義
テーマ:これからの僕らの働き方をつくる
講師:横石崇先生
多摩美術大学卒。広告会社、人材会社を経て、2016年に&Co.(株式会社アンドコー)を設立。ブランド開発やコミュニケーション戦略、組織変革・社会変革を中心としたプロジェクトプロデューサー。毎年11月に開催している、アジア最大規模の働き方の祭典「Tokyo Work Design Week」では3万人の動員に成功。鎌倉のコレクティブオフィス「北条SANCI」支配人。渋谷区発の起業家育成機関「渋谷スタートアップ大学(SSU)」、集合本屋「渋谷◯◯書店」などをプロデュース。代官山ロータリークラブ会員。法政大学兼任講師。米国ビジネス誌「FAST COMPANY」をはじめ国内外でアワード受賞。著書に『自己紹介2.0』(KADOKAWA)、『これからの僕らの働き方』(早川書房)がある。
以下本文
今回の講義には、株式会社&Co.の横石先生にお越しいただきました。横石先生は、コミュニケーションデザインやキャリアデザイン、人と人を繋げるコミュニティづくりをされています。
今回は4名ずつのグループに分かれ、ワーク形式で授業が展開されました。ストリートメディカルラボのスローガン「病を診ずして、人をみよ」の「人をみる」練習となるような複数のワークを行いました。
ワーク1 みんなの「偏愛」でこの部屋を埋め尽くしたい
最初のワークでは、「偏愛自己紹介」を行いました。生徒は自分の偏愛しているものをまとめた「偏愛マップ」を事前に作成し、それをグループ内で紹介し合いました。ストリートメディカルラボが始まってからこれまでに自己紹介をする機会があまりなかったこともあり、最初は戸惑う生徒もいましたが、次第に和気あいあいと自分の偏愛を紹介する様子が見られました。
この偏愛自己紹介は、名刺の代わりになるものです。通常の名刺交換では会社名や肩書きなどを紹介し合いますが、偏愛自己紹介では自分の「偏愛」を交換し合います。「好き」という感情を伴った情報の交換になるため、通常の自己紹介よりもより相手のことを深く知り、親密に感じることができました。
また、偏愛マップを作成する過程で自分の好きなものを改めて見つめ直すきっかけとなったり、他の人の偏愛を聞いて自分の好きなものを思い出したり、相手のことを知ると同時に自分のことを知るきっかけになると感じました。
ワーク2 みんなの「物語(ナラティブ)」をもっと知りたい!
2つ目のワークでは、ライフチャートを作成しました。自分のこれまでの人生を振り返り、年齢ごとの人生の充実度の波を書いていきます。そして波の頂点や底にくる部分では何があったのかを書きます。
このライフチャートは、履歴書の代わりになるものです。一般的に履歴書やSNSでは、ライフチャート上の頂点、充実している部分に注目が集まります。しかし、本当はマイナスのところの方が重要なのではないか?というのが横石先生の考え方です。実際にワーク中に生徒から、「人が悩んだり苦しんだりした経験があることを知ると、応援したくなりますね。」というような声もありました。
相手の過去をプラスの部分もマイナスの部分も含めてナラティブとともに知ることで、相手に共感することができました。「相手の人生をナラティブでみる」ということは、ストリートメディカルにおける課題発見・解決の過程においてもとても大切な視点だと感じました。
ワーク3 仕事ってどういうイメージ?
3つ目のワークでは、自分の好きは何か?それを仕事にするにはどうしたらいいか?を改めて見つめ直すワークを行いました。好き、嫌い、得意、苦手な作業について、マトリクスを埋めていきます。
各自マトリクスを作成し、グループで発表する際、他のメンバーはマトリクスを見た上で「その人に向いてそうな職業を無責任に提案する」というルールがありました。データアナリストやコンサルタント、絵本作家やパントマイマー、占い師など多種多様な職業が提案され、和気あいあいとワークが行われました。
「好きx得意」で仕事をしていくのが理想的ですが、「好きx苦手」は自分の努力や工夫次第で「好きx得意」に変化させることができる、最も伸び代がある領域だと横石先生は話していました。
授業を終えて
今回の授業を通し、人をみることの大切さを学びました。特に感情とともに共有するという点が新たな学びでした。そして自分だけでワークをしている時よりも、グループで自分について話した後の方が自分について少しよくわかっているような感覚があったのがとても興味深かったです。今後グループで課題を取り組む際にはこのワークを取り入れて、円滑にプロジェクトを進められるようにしていきたいです。
テキスト by 佐久間美季