東川 康詞／医師
Q.SMSを知った経緯は？
SMSに参加したのは初期研修医の時でした。大学生の頃から、医療機関サイドからの現状のアプローチのみでは健康行動変容に効果的にコミットできないことへの問題意識を持っており、色々調べているうちに武部先生の掲げる”広告医学”という概念に興味を持ち、研究室へお話を伺ったりしました。その後、武部先生の講演で”ストリートメディカル”という考え方を知り、暮らしに溶け込む医療というコンセプトは創造性が高くワクワクすると感じ、参加することに決めました。
Q.印象的だった授業やエピソードは？
アイデアピッチでの発表を一つのゴールとして、その課程で様々な講師の方から講義やワークショップを受けたのですが、中でも佐藤夏生さんが講義の中で仰っていた、『体重を乗せる』という言葉を今でも覚えています。課題解決には、その課題を自分事として捉え、血を通わせなければいけないというメッセージだと捉えました。そのためにはまず体重を乗せて生活することが大事、ということでもあり、自分の生活の中で、面白いものや気になったものに貪欲に触れていくことが増えたように思います。
Q.学ぶ前と後での変化は？
アイデアピッチのために、どんなテーマを設定しどんなプロダクトを提案するか、と試行錯誤するなかで、何が本質的なのか、を自らに(あるいは仲間に)問いかけていくという経験を得ました。現在私は放射線科医として市中病院で勤務しているのですが、目の前の業務をただ捌いていくだけではなく、自分の仕事の何が本質的で、その価値を高めていくために何をしたらよいか、常に考えています。
Q.受講を考えてる人に一言
医療やデザインに限らず様々なバックグラウンドのメンバーが集まって健康やウェルビーイングについて考え抜くことができる場所は本当に貴重だと思います。特に医療従事者にとっては、エビデンスという枠組みからいったん離れ、自由な発想を駆使する環境に飛び込むチャンスではないでしょうか。